祖母はグループホームに入ることになりました。
被害妄想がひどい祖母を説得することはかなり大変でしたが、「月に1度は家に連れて帰ること」「私が時々祖母の様子を見にいくこと」でなんとか納得してもらいました。
しかし、認知症の祖母はその時の気分によって考えがコロコロ変わってしまうので、グループホーム入居の当日になると、やはり「行きたくない」という気分になってしまったようで、またまた説得することになりました。
祖母:「あたしゃ、ホームには行かんよ!」
私:「なんでよ、昨日は行くって言ってたやん?」
祖母:「あたしゃ、死ぬまでこの家にいるからね!」
私:「ヘルパーさんにも断られたし、買い物や料理ができんかったら1人では暮らされへんで?」(ヘルパーさんに断られた時の話はこちら)
祖母:「料理ぐらいできる!買い物も介護タクシーが連れて言ってくれるんじゃから!」
私:「介護タクシー乗っても、お店の中を歩けないやろ?料理も足がしんどくて立ってられないと思うで?」(祖母はレビー小体型認知症の影響で歩くことが難しくなっていたので)
このような感じの話を何度か繰り返し、1時間ほどしてまたまた「月に1度は家に連れて帰ること」「私が時々祖母の様子を見にいくこと」ということで納得してもらいました(笑)
祖母のグループホームへの入居に際しては、グループホームのスタッフの方がお布団などの荷物を運ぶ手伝いをしてくれたこともあり、私と母は、少量の荷物と祖母を車に乗せてグループホームに向かいました。
グループホームに着くと、まずはスタッフの方が荷物のチェックをしてくれました。
被害妄想がひどいことをグループホームに入居する前の打ち合わせで伝えていたこともあり、スタッフの方が荷物を1つ1つ丁寧にチェックをし、何を持ってきているのか、全ての荷物に名前を書いてあるのかなどを調べ、持ち物のリストを書いてくださいました。
その間、母は様々な書類を書いていたので、私は祖母のそばにいて「祖母のことをよろしくお願いしますと」と同じホームに入居している認知症の方達と話をしたりしていました。
(グループホームは認知症専用の施設なので、入居者の方は程度の差こそあれ、認知症と診断された方々です。)
祖母は、やはり慣れない場所にきたことで少し不安げな表情でした。私が他の入居者の方と話している間もあまり誰かと話をする余裕はなさそうでした。
この時はちょうどお昼どきだったので、私は祖母のこれから過ごす部屋で待機し、祖母は入居者の方達とお昼ご飯を食べることになりました。
私と母は祖母がお昼ご飯を食べ終わるまで祖母の部屋で待ち、最後に祖母と少し話をしてから、兵庫県に帰ることにしました。
30分ほど待っていると祖母がスタッフの方に車椅子で連れられ、部屋にやってきました。
祖母:「お前たち、ここにいたんね?」
母:「そうよ。お昼ご飯はどうやったの?」
祖母:「美味しかったよ!味がついたご飯で!でもお腹がいっぱいで少し残したよ。」
母:「ケチャップご飯ってスタッフの方が言ってたわ。美味しかったんやったらよかったやないの!」
祖母:「お前が朝にパンなんか食べさすから、全部食べられんかったがね。」
母:「よく言うわ!朝も美味しいってパン食べてたくせに!(笑)」
祖母:「せっかく美味しいご飯じゃったのに。くやしいよ。」(祖母はレビー小体型認知症になって以来、「食」に関してかなり執着心が強くなっていました 笑)
私:「そんなに美味しかったん?(笑)、まぁご飯が美味しい場所でよかったやん!これからも毎日美味しいものが食べれるんやから!」
母:「それじゃ、私達はそろそろ帰るからね。また来月様子を見にくるから。」
私達がもう帰ることを伝えると急に不安になったのか、「自分も帰る」と祖母はまた言い出しました。
ご飯が美味しと感じてくれたことに安心したのもつかの間、やはり施設に慣れるまでは時間がかかりそうです。
帰りたいと言う祖母をおいていくことはつらいですが、私達の帰りの飛行機の時間がせまっていたこともあり、スタッフの方に祖母のことをお願いして施設をあとにしました。
スタッフの方には「みなさん最初は不安になりますが、すぐに慣れていきますのでお任せ下さい。」と言っていただいたので、とにかく1ヶ月ほどは祖母が施設に慣れるまで様子を見ることとなります。
ではその後の祖母の様子についてはまた次回に。