壁のシミや服の模様がムカデに見える(幻視、幻覚、錯覚)

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祖母が何かの病気かもしれないと、私達家族が気づいたきっかけが幻視(幻覚、錯覚)でした。

畑に人がいないのに、「畑に勝手に人がはいっている。」と言ったり、カラスはいないのに「木にとまったカラスがずっとこっちを見ていて気持ち悪い。」というようなことがあり、病院に行った結果、レビー小体型認知症と診断されました。

レビー小体型認知症と診断されて以来、私と母が交代で祖母と暮らすようになってからは、祖母も少しは安心したのか、幻視(幻覚、錯覚)を見ることはほとんどありませんでした。

見間違いすることは時々ありましたが、こちらが「見間違いだよ」と教えてあげると、それ以上はしつこく言い続けることはなかったので、幻視の症状は治まったのかと思っていました。

しかし、ある出来事をきっかけに、再び幻視(錯覚)を見るようになってしまいます。

家にムカデが!

祖母の家は宮崎県の田舎の自然豊かな場所にあるのですが、当然その豊かな自然にはたくさんの虫や動物(たぬきなど)が暮らしています。

毎年暖かくなってくると、どこからともなく、アリなどの虫が家の中にはいってきてしまい、駆除するのに苦労するのですが、その中でも最も危険なのがムカデです。

アリぐらいなら噛むことはあってもたいしたことはないのですが、ムカデは刺される(噛まれる)と、重症化する場合もあるほど危険な虫です。

毎年なぜかどこからともなく家の中に入りこんでくるので、その度に駆除をするのですが、この時は運悪く祖母の布団の中に入りこんでいました。

幸い刺されずにすみましたが、この日以来、ムカデがでるかもしれないという考えが、祖母の頭からはなれなくなってしまい、色々な物がムカデに見えてしまうことになります。

祖母:「壁にムカデがいるよ!

私:「え!どこ!?

祖母:「ほら、そこよ!

私:「おばあちゃん、これただの壁のシミやん。びっくりさせんといてよ(笑)

祖母:「そうね(笑)、よかった。

これぐらいで済めばよかったのですが、次は服の模様が気になりだします。

祖母:「これ誰の服ね?気持ち悪い!

私:「それおばあちゃんが去年買った服やん。

祖母:「虫がいっぱいついてるように見えて気持ち悪いよ。

私:「これ花柄やん!

祖母:「こんな気持ち悪い服、わたしゃ買っとらんよ!みっちゃん(私の母)が勝手に買ってきたんじゃろ?

私:「確か去年、おばあちゃんと一緒に買いに行ったはずやけど。

祖母:「わたしゃ行っとらんよ!気持ち悪いから捨てといて!

私:「え?(忘れたのかな?)捨てるのはもったいないからタンスにしまっとくわ。

このように最近買った柄物の服に関しては、気持ち悪いと言い出すので(なぜか昔から持っている柄物の服に関しては何も言いません)、祖母を買い物に連れて行き、柄物ではないシンプルな服を選びに行くことに。

近くのスーパー(イオン)に祖母の洋服を買いに行ったのですが、祖母の趣味は昔のままなので柄物ばかりを選ぼうとします(笑)。

私が「おばあちゃん、柄物選んだらまた気持ち悪いっていいだすかもしれんで?今回は無地のシンプルなものにしたら?」と言うと、「そうじゃね。」と言い、ポロシャツを買うことになりました。

ラルフやラコステのようなワンポイントの刺繍が入ったポロシャツを選んだのですが、これが結果的に大失敗となってしまいます。

久しぶりに買い物に行って気分転換にもなったのか、祖母は家に帰っても機嫌が良く、買った服を喜んで着たりしていたので、私は「よかった!」と安心していました。

安心した私は、「ちょっと出かけてくるわ」と2時間ほど家を空けたのですが、家に帰ってくると、祖母が洗面所で服を洗っている姿が目に飛び込んできました。

私:「おばあちゃん、何してんの?

祖母:「買った服にムカデがついてたんよ!

私:「え!?ちょっと見せて!

祖母:「いくら洗ってもとれんよ。

私:「これ、犬の刺繍やないの!ムカデじゃないで!

祖母:「うそ?それ刺繍ね?気持ち悪い刺繍があるもんじゃね〜。

私:「(・・・。)」

この後祖母が「はさみを持って来て!」というので「何に使うの?」と聞くと、祖母は「刺繍を切ってほどく」といます。

もちろん私は「そんなことしたら、服に穴があくで!」と言い祖母をとめたのですが、1度、刺繍がムカデに見えてしまった祖母は、刺繍の入ったポロシャツを着ることが気持ち悪くなったようで、結局その服もタンスの奥にしまったままになってしまいます。

安心させてあげる

私の祖母の場合、ムカデへの恐怖心から、色々な物がムカデに見えてしまいました。

そこで私は祖母にムカデはもう家に入ってこないよ。ということを理解してもらうために、ムカデ用の薬を家の周りに撒き、家の中にもムカデが嫌いな臭いを発する薬を置きました。

こうすることで祖母は「もうムカデはでないだろう」と安心することができ、この後、ムカデの幻視(錯覚)を見ることはなくなりました。

幻視(幻覚、錯覚)を見る方は、不安や恐怖心といったことが原因となっていることがほとんどです。

なので、不安や恐怖心を感じている方の、周りの方(家族やヘルパーさん)が安心させてあげることが大切です。

ただ、上記のように「これはムカデじゃないよ」と説明すれば安心させてあげれるような事柄であればいいのですが、そう簡単に安心感を与えてあげることができない場合もあります。

例えば、幻(幻覚)を見てしまっている場合などです。

私達周りの人には見えていないのに、本人だけがはっきりと「人(亡くなった人など)や物」が見えている場合、こちらがいくら「誰もいないよ(何もないよ)」と言っても、本人には見えているので納得してくれません。

それどころか、あまり否定しすぎると、相手を混乱させてしまったり、怒らせてしまうこともあります。

私の祖母が以前、「家の畑に誰かがいる」と言った時は、私が畑まで行き、誰もいないことを祖母に見せると安心してくれたこともありました。

幻視(幻覚、錯覚)が見える方への最高の薬は「安心感」だと思います。

幻視を見る方の症状によって、対応の仕方は変わってくるとは思いますが、私達周りの人間が「安心感を与えてあげる」ということを念頭に置き、優しさを持って接することが1番重要なことだと感じました。

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