前回書かせていただきましたが、祖母は自分の娘(私の母)が通帳を盗んだと被害妄想を起こし、警察沙汰にまでしてしまいました。
母と私は「もう1人暮らしは難しいかも。」と思い、ケアマネージャーさんに相談することにしました。
ケアマネージャーさんは、「1人暮らしが難しいと断言するほどではないけれど、将来、病気が進んだ場合にもし施設に入るなら、ショートステイでお泊まりの練習をしてはいかがでしょうか?」というアドバイスをいただきました。
確かに祖母のレビー小体型認知症が進むと、パーキンソン病の症状の影響で、いつかは車いす生活になる可能性は高いと言われています。
私達の家(兵庫県)に連れてきても、また文句ばかりで、すぐに帰ると言い出すのは目に見えています。(以前、祖母が兵庫県に来た時の様子はこちら)
祖母の1人暮らしは、月に10日ほどだったので(私と母が交代で祖母の家に帰っていたので)、その間だけでもショートステイに入ってくれればなぁ。という思いもあり、まずは月に1,2回、ショートステイで泊まる練習をすることになりました。
私達(私と母)が心配だったのは、やはり祖母の被害妄想です。
祖母は病気になって以来、物事を悪く悪く考えてしまうことが多かったので、1度でも印象が悪くなれば、悪い印象を基準にその物事について考えるようになってしまいます。
もしショートステイに悪い印象が残れば、それ以降、ショートステイに連れて行くのも難しくなりますし、おそらく施設の方も対応するのが難しくなるからです。
様々な不安はありましたが、祖母の状態を考えると、ショートステイに行くことは必要なことでした。
最初は見学に行き、どうにか祖母に良い印象を持ってもらおうと、ショートステイ先の良い所をたくさんアピールしました。(施設の関係者ではありませんが 笑)
するとその効果かは、わかりませんが、祖母は「きれいでいい所じゃね」と、良い印象を持ってくれたみたいでした。
ただ、第一印象が良くても何か気に入らないことがあれば、すべて悪い印象になってしまうのが今の祖母。
まだまだ油断はできません。
ショートステイの日まで、「あそこはきれいで良いところやったね!」と呪文のように毎日祖母に言い続け(笑)、問題のショートステイの当日を迎えることに。
前日まではあまり文句も言わず、「明日の用意、ちゃんとしたんね?」と行く気があるように思えたのですが、当日になると「やっぱり行きたくない」と言い出し、かなり苦労しましたが(笑)、何とか泊まりに行かせることには成功しました。
しかし、ショートステイに連れて行った時の祖母の表情は非常にけわしく、私には、被害妄想で怒っている時と同じような状態に見えたため、不安しかありませんでした。
ショートステイ先の介護士の方達がうまく機嫌をとってくれることを祈りながら、祖母の帰りを待つことに。
そして次の日、帰ってきた祖母の表情を見た時、「ああ、ダメだったんだな」ということを確信しました(泣)
私:「おばあちゃん、ショートステイはどうやった?」
祖母:「わたしゃ、あんなとこには二度と行かんよ!」
私:「何で?見学しに行った時は『きれいでいい所じゃ』って言ってたやないの?」
祖母:「そげん(そんな)きれいじゃない!」
私:「ご飯はどうやったの?」
祖母:「ご飯も固くてあまり美味しくなかった!」
祖母:「それにあそこは私を閉じ込めようとするからね!」
私:「施設の人が言ってたけど、おばあちゃんが夜中に部屋をでようとしたから、カギをかけたって言ってたで?」
祖母:「私が家に帰りたいって言ったら、カギをかけて閉じ込められたんじゃ!ふつうはカギをして閉じ込めたりせんじゃろ!」
私:「そりゃ、おばちゃんが無理言うからやないの」
祖母:「私が自分の家に帰るんのどこが悪いんね!あんなとこ二度と行かんからね!」
私:「(ああ、最悪の状況かも)」
こんな感じで、見事にショートステイの体験は失敗に終わりました。
「まぁ、祖母の将来については、また落ち着いた頃に考えればいいかな。」と前向きに考えようとしていたのですが、祖母の将来について決断を下さなければならない時が突然やってくることになります。
それではまた次回に。