見当識障害とは
見当識障害とは「今日は何月何日か?」「今は何時か?」「今の季節は?」「目の前にいる人は誰なのか?」「ここはどこか?」など、自分の置かれている状況を正確に認識することができない状態のことをいいます。
見当識障害は、認知症の初期段階から現れることがあります。
日にちや曜日を勘違いする
私の祖母はレビー小体型認知症なのですが、祖母の見当識障害が酷くなりだしたのは、レビー小体型認知症と初めて診断されてから1年ほどたった時でした。
認知症と診断されて以来、たまに日にちを間違えたり、曜日を間違えたりすることはありましたが、初めの頃はこちらが間違いを指摘すると、きちんと理解することができていました。
しかし、祖母は被害妄想も徐々に酷くなっていたので、見当識障害に被害妄想がプラスされ、介護する側には大変難しい状態になってしまいます。
初めの頃は私達の言うことをある程度は聞いてくれていた祖母ですが、祖母の被害妄想が酷くなり、母のことを通帳泥棒を疑ってしまう出来事があって以来、祖母は母の言うことを信じられなくなっていきます。
(母を疑った出来事はこちら)
見当識障害が少しずつ進んでいき、日にちや、曜日を間違うことが多くなっていくのですが、同時に被害妄想も酷くなっていたので、こちらの言うことよりも、自分の間違った考えが正しいと思うことが多くなっていきます。
祖母は遠距離介護なので、私と母は交代で祖母の家に帰っていたのですが、1ヶ月に7〜10日は1人で暮らすことになるため、よくこのような電話がかかってくるようになります。
祖母:「みっちゃん(母)、もう薬がなくなりそうよ。お前、今日帰ってくるんじゃろ?」
母:「次は4日後の4月15日って昨日も言ったやろ?」
祖母:「今日は15日じゃろ?」
母:「今日は11日やないの。15日は4日後!」
祖母:「お前はまた嘘をついて!カレンダーにも15日って書いてるがね!」
母:「それは自分がカレンダーの15日を見てるからやろ?今日は11日やから、11日のところを見なあかんの!」
祖母:「嘘言いなんな!カレンダーには15日と書いとる!お前は薬代がおしくて、私を病院に連れてい行きたくないんじゃろ!」
母:「そんなわけないやないの!薬は私が帰るまで、きちんと訪問看護さんが管理してくれるから心配せんでも大丈夫なの!」
このように今日が何日かがわからなくなるだけでなく、勘違いをすることも多くなっていきました。
また、被害妄想の影響で母の言うこと嘘と思ってしまい、自分の考えが正しいと思い込んでしまいます。
この頃から、このような場面に何度も遭遇することとなるのですが、私は「安心させてあげる」ということを心がけて接するようにしています。
認知症の方には、怒ったり、無理に間違いを指摘しても、相手が逆上してしまい、決して良いことはありません。
また、私の祖母のように興奮したり、混乱している場合、認知症の方が落ち着いて話をできる相手が対応してあげると、良い方向に進む可能性が高いと思います。
祖母は母のことを悪く思ってしまっているので、できるだけこのような時は私が対応するようにしていました。
祖母の場合、人によって態度がコロコロ変わります。
母との親子という近い関係が、自分の不満やわがままを好き放題言ってしまう要因になり、どんどん怒りが収まらなくなってしまいます。
しかし私は、孫と祖母と言う関係なので、祖母はそれほど私にはキツく言うことはありません。
また話も聞いてくれやすくなります。
(あまりにも機嫌が悪いと私でも難しくなりますが😅)
見当識障害の症状がでている時は、混乱していたり、不安になっていたりすることが多いので、その方にとって安心をあたえてあげる行動をとることが、良い介護につながるのではと感じています。