目が離せない

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前回の続きです。

祖母は腕を骨折して入院していました。

前回書かせていただいたように、祖母は先生や看護婦さんの言うことを聞かなかったり、勘違いしたりと、周りの人達を困らせてしまいました。

入院当初から迷惑をかけてしまった祖母ですが、今回もまた(笑)、病院の先生や看護婦さんを困らせ、驚かせる行動をとってしまいます。

平常心を失った祖母の行動

祖母は認知症になって以来、人の言うことが聞けず自分の考えで行動してしまうことが多くなっていました。

祖母が冷静に客観的に物事を考えられる状態だと特に心配する必要はないのですが、認知症の影響で勘違いや思い込みの多くなった祖母の行動は、様々な場面で無茶な行動を起こしてしまいます。

特に平常心を失った時にはこちらが思いもよらない行動をとってしまうことがあり、私達家族ですら、予期できないことも多々ありました。

祖母が手術をして、1週間ほどたった時の話です。

祖母は手術をするほどの酷い骨折だったので、どうしても数週間は痛みが残ってしまいます。

普通の人なら、「ひどい骨折をしたのだから痛みが長引いても仕方がないか。」と納得できると思うのですが、認知症の祖母にはそのように物事を受け入れることができません。

先生に「まだ少しの間は痛みが続きますよ。」と言われても、受け入れることができないので、色々と自分の腕について考え続けてしまいます。

「1週間もたったのに痛みが引かないのはおかしい」だとか、「痛みをどうにかとる方法があるんじゃないのか」などなど。

人の言うことを聞けないので、自分の考えで行動してしまいます。しかも痛みが酷いようで、痛みで平常心を失った状態で考え行動してしまいます。

この時は「ギブスをしていることが原因で痛みが酷いんじゃないのか?」という考えに行き着いたらしく、その思いはギブスを外そうという行動を起こしてしまいます。

看護婦さんがいくらダメだと言ってもギブスを外そうとしてしまうので、目が離せません。

看護婦さんでは説得することが難しいと言うことで、母が説得することとなります。

母:「お母さん(祖母)、ギブスを外したら骨折の治りが遅くなるんよ。」

祖母:「ギブスをつけてても治らんがね!このギブスがきついから痛いみが酷いんじゃ。」

母:「ギブスのせいじゃないの。手術からまだ1週間しかたってないんやから、もうちょっと我慢せなあかんよ。」

祖母:「ここの看護婦は治療もせんと、邪魔ばっかりするよ!」

母:「お母さんが看護婦さんの言うこと聞かんからやろ?ギブスをちゃんとつけておくことが治療なんやから。」

祖母:「ちょっと外すぐらい、いいじゃろ!」

母:「あかんの!そんなことしたら余計に入院が長くなるよ!」

祖母:「・・・・(不満そうな顔)」

結局、この時はギブスを固定するために巻いていた包帯を少し緩めることで落ち着かせることができました(笑)

祖母は、1度思い込むと自分の考えをなかなか修正できないので、「ギブスがきついんじゃなく、包帯をきつく巻きすぎているからギブスがきつく感じるんじゃないの?」という考えに誘導することで、何とか解決できました。(気分的なものなのか、包帯をゆるくすると痛みが少しマシに感じたようです)

この後、2、3日はおとなしく過ごしていた祖母ですが、この日から数日後の私がお見舞いに行った時に事件は起きていました。

祖母はいつも通りベットで横になっており、2人で何気ない会話をしていたのですが、途中で看護婦さんが私に話しかけてきました。

看護婦さん:「こんにちは。」

私:「こんにちは。いつもお世話になっております。」

看護婦さん:「いえいえ。えっと、実はですね、今日〇〇さん(祖母)が、骨折した箇所に埋め込んでいたプレートをとってしまいまして。」

私:「え!?プレートって何なんですか?」

看護婦さん:「腕を支えるために、手術の際に細長い棒状のプレートを埋め込んでいたのですが。」

私:「えぇ!、それって自分でとれるものなのですか?」

看護婦さん:「ある程度、腕の状態がよくなればとり出せるように、皮膚から少し見えるように埋めていたんです。それに〇〇さん(祖母)が気づいてしまって、引き抜いてしまったみたいで。」

私:「・・・。それってとりだしても大丈夫なんでしょうか?」

看護婦さん:「いや、いいとは言えませんけど・・・。先生は大丈夫だろうとは言っていましたけど。また後日先生からも詳しい話があると思いますので。」

私:「わかりました。すいません、ご迷惑ばかりをおかけしまして。」

看護婦さん:「いえいえ、では失礼します。」

おそらく、祖母はまた腕が痛くなり、包帯やギブスをとろうとしたら、プレートを見つけてしまったのでしょう。

この後、祖母に問いただします。

私:「おばあちゃん、腕からプレート引き抜いたん?」

祖母:「そうじゃ。なにか刺さってたから、これが痛みの原因じゃろうと思って。」

私:「えぇ〜!引き抜くの痛かったやろ?」

祖母:「(笑いながら)いや、あの棒をとってから痛みがマシになったよ。」

私:「ほんまに?てか包帯もギブスも触ったらあかんって言われてたのに!」

祖母:「だって痛かったんじゃもん。」

私:「はぁ・・・。」

後日、先生から祖母の状態を説明され、「プレートをとってしまった影響で腕の骨が綺麗な形でつくかは保証できないが、まぁ大丈夫でしょう。」とのことでした。

ただ、勝手にプレートをとってしまったため、バイ菌が傷口からはいっていたらいけないので、菌を殺す点滴だけさせてもらうとのことでした。

今回は結果的に何事もなくすみましたが、私と母の中では「祖母から目を離すと何をするかわからない」という思いがよりいっそう強くなる出来事になりました。(特に痛みなどで平常心を失っているような時は)

目が離せないとなると、一緒に暮らして面倒を見ることが難しくなります。(足も悪いので)
今は入院中ですが、退院後のことを考え直さなければならないかな。と思うようになりました。(祖母を宮崎に連れて帰り、基本的には祖母の家で面倒を見る予定でした。)

まぁ、それでも退院まではリハビリも含め、まだ1ヶ月はかかると思っていたので、祖母の様子を見つつ考えればいいかなと思っていたのですが、急遽、予定が変わってしまうことになります。

では、その出来事についてはまた次回に。

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