祖母、後悔する。

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前回介護日記では、祖母が退院して宮崎の家に帰ったところまで書かしていただきました。

祖母の「早く家に帰りたい!」という希望が叶い、宮崎に帰ってから2、3日は機嫌が良かったのですが、少しずつ帰って来たことを後悔するようになります。

病院で入院していた時は、ずっとベッドの上で生活していたのでほとんど体を動かしていませんでした。
しかし宮崎に帰ってきてからは自分でトイレに行ったりと、少し動くようになったので、今まで安静にしていた時には感じなかった痛みがでてくるようになりました。
(どのみち、病院でも本格的にリハビリを開始する予定でしたが)

入院中は看護婦さんにかなり文句をいい、「ここの看護婦はろくなのがおらん!」とむちゃくちゃなことを言っていた祖母はこんなことを言い出すようになりました。

祖母:「ムーちゃん(私)、背中が痛いがね。

私:「そりゃそうやん、おばあちゃんの背中はまだ治ってないんやもん。

祖母:「でも、あっち(病院)じゃ痛くなかったよ。

私:「だっておばあちゃん、ほとんどベッドの上から動かんかったやろ?

祖母:「こんなに痛いなら、帰ってこんければよかった。

私:「だから、言ったやん。まだ入院しとったほうがいいって。病院やったら専門の先生がリハビリしてくれたし。

祖母:「そうじゃねぇ。あそこの病院はいい所じゃったのに。

私:「よく言うわ(笑)、あれだけ文句言ってたくせに!

祖母:「そうじゃったけ?(少し笑いながらとぼける)

穏やかな時は昔(病気になる前)のようにやさしい祖母なのですが、痛みを強く感じたり、何か気に入らないことがあると怒りっぽくなってしまいます。

なので自分の思い通りにならないとすぐに「お怒りモード」になってしまい、人の話を全く聞かなくなります。
しかも認知症になってからの祖母は、後先考えられなくなっているので、今回のような失敗(無理矢理退院したこと)を何度もするようになっていきます。

もちろん私達でも自分の考えを曲げれないようなことはあると思いますが、周りの状況や、一般常識なども含めて多少なりとも客観的に考えることができると思います。

しかし祖母のように認知症になると、自分のおかれた状況や一般常識などを考えることが難しくなってきているので、客観的に物事を見れなくなります。

こちらが正論でも、全く通じません。

介護する側にとってはストレスとの戦いになると思いますが、最近思うのは祖母も同じだけ、いや、それ以上にイライラした気持ちになって苦しんでいるんだということです。

私達が自分の意見が理解してもらえずイライラしてしまうように、祖母も自分の意見が理解してもらえずイライラいているだろうし、体も心もきつい状態だと思います。

もちろん祖母の考えが間違っていることがほとんどなので、祖母がこちらの意見を聞けずイライラするのは自業自得と言えばそうなのですが、病気のせいで(認知症のせいで)そうなってしまったことを思うと、何とも言えない気持ちになります。

と言いつつ、こちらの意見が通じない場面になると、ついついイライラしてしまい「かわいそうだな」と思う気持ちも吹き飛んでしまう私ですが(笑)

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