前回の続きになります。
祖母に持たせていた携帯電話を私が持って帰ったので、祖母は家の固定電話を使うことになりました。
これまで携帯電話だと簡単に私の母(祖母の娘)に電話をかけることができたのですが(ベットに寝たままでも)、歩くことが難しくなってきている祖母にとっては固定電話まで歩くことが大変なようで、これまでほど頻繁に電話がかかってこなくなりました。
かかってくる電話が今までの半分ほどに減ったので、私の母は精神的にだいぶ楽になったようでした。
(私の母への文句の電話であることにはかわりありませんが 笑)
しかし、祖母にとっては逆でした。
今まで祖母が、私の母(祖母の娘)にむけていた被害妄想(ストレス)を「10」とすると、電話の回数が減ることで「5」ほどしか発散できなくなりました。
すると祖母の心には、残りの「5」が発散できないままになります。
こう考えると、残りの「5」の被害妄想(ストレス)が、母以外の誰かにむかう可能性があることは誰が見てもわかるのですが、当時の私と母にはこのように考えることができませんでした。
そしてついに祖母にたまっていた被害妄想(ストレス)の残り「5」が、ヘルパーさんにむけられることとなってしまいます。
カギがない
祖母の携帯電話を持ち帰り、1週間ほどたった日のことです。
いつもなら1日に最低でも3、4回は電話をかけてくる祖母からの電話がありません。
この日の祖母は朝から夕方までデイサービスの日だったので、私と母は「今日はデイサービスで疲れたのかな?また明日にでも電話がかかってくるだろう」と思っていました。
しかし次の日の夕方になっても電話がかかってきません。
私の母は心配になり、祖母の家に電話をかけてみました。
電話は無事つながったのですが、祖母は機嫌が悪いようでした。
祖母:「みっちゃんね?(私の母)、昨日、家のカギが盗まれたよ!」
母:「え?誰に?」
祖母:「ヘルパーさんじゃよ!」
母:「ヘルパーさんが家のカギを盗むわけないやろ!自分がどこかになおしたんじゃないの?」
祖母:「お前はまた私のせいにして!昨日、デイサービスから帰って来て、カギをテーブルの上に置いたのに、ヘルパーさんが晩ご飯を作りにきてる間になくなったんじゃから!」
母:「ヘルパーさんがカギを盗るわけないやろ?もう1度、しっかり探してみて!」
祖母:「今日も1日中探したけどなかったんじゃから。訪問看護さんが来た時に探してもらったけど見つからんじゃった。」
祖母:「ヘルパーさんにカギ返してって言ったら、ものすごい勢いで怒ってきたんじゃから。」
母:「え?ヘルパーさんとケンカしたの?」
祖母:「わたしゃ、ちょっと言っただけじゃよ。あんなに怒るのは、自分が盗ったからじゃろ!」
母:「(ぜったい酷いこと言ったんやわ)」
母:「とにかく、ムー(私)がもうすぐそっちに帰るから、その時カギを見つけてもらって!絶対あるから!」
祖母:「あるわけなかろう!ヘルパーさんが盗んで帰ったんじゃから!」
母:「とにかく、もうヘルパーさんに文句言ったらあかんよ!ヘルパーさんは盗ってないんやから。」
祖母:「お前はまた私と逆のことを言う!お前には話さんければよかった!」
母:「ヘルパーさんとケンカしたら、もうご飯作りに来てもらえなくなるよ!ところで、昨日と今日は何で電話してこなかったの?」
祖母:「お前の家の電話番号が書いてあったメモが破られてたんじゃよ。ヘルパーさんが怒って破って帰ったんじゃろうね。」
母:「(・・・・。)」
このような感じで、祖母の被害妄想はヘルパーさんに向いてしまうことになります。
いつもなら私の母のせいにされていたことが、全てヘルパーさんのせいになってしまいました。
しかも祖母とヘルパーさんは言い合いになったみたいで、祖母のヘルパーさんに対する印象は最悪です。
これからはヘルパーさんに来ていただいても、祖母が文句ばかり言うようになり迷惑をかけてしまうのではと私と母は感じていました。
(祖母は1度疑いを持った人に対しては、きつくあたってしまうので)
とにかく、私が次に祖母の家に介護で帰った時に、ヘルパーさんやケアマネージャーさんと話し合うしかありません。
不幸中の幸いと言いますか、この電話の2日後には私が祖母のもとに行くこととなっていたので、明日さえ問題が起こらなければ、2週間ほどヘルパーさんに会うこともないので、祖母も少しは落ち着いてくれるかなと思っていました。
(祖母が1人暮らしの間だけ、ヘルパーさんに来ていただく契約になっていたので。)
しかしその望みも叶わず、この電話の次の日、祖母は再びヘルパーさんを怒らしてしまうことになります。
では続きは次回に。