前回は被害妄想が少しでるようになったことについて書かせていただきました。
そして今回はそこからまた少し被害妄想が酷くなってしまった時の話になります。
精神病院に入院していた祖母ですが、そこでは同時に「歯」の治療もしていました。
外部の歯科医のかたが定期的に往診に訪れるので、時々歯が痛いと言っていた祖母も見てもらうことになります。
祖母は虫歯が多く、グループホームにいた時も定期的に治療してもらっていたのですが、そのうちのいくつかは抜歯しなければいけないほど悪化していたようです。
1本だけであればそれほど問題はなかったのですが、祖母の場合は4本ほど抜かなければいけないことになります。
祖母は認知症ですが、ある程度の理解力はあるので歯科医の先生との話しも理解し、抜歯することに同意しました。
抜歯自体はうまくいき何の問題もなかったのですが、抜歯をしてしまったので、入れ歯を作り直さなければいけなくなります。
先生の話では2週間ほどで入れ歯ができるとのことでしたが、結局3週間ほどかかってしまうことになり、その間祖母は入れ歯がないので、ご飯やおかずをすべて柔らかくしてもらい食べていました。
被害妄想になって以来、食べることにすごくこだわりを持つようになっていた祖母は、歯がないことをすごく気にするようになってしまいます。
精神病院に入院し被害妄想の症状が良くなってからは「私の母」に対して文句を言わなくなっていましたが、抜歯の影響もあり、ついに入院前の被害妄想が酷かった時のように文句を言いだすことになります。
祖母:「まだ入れ歯はできんとね?」
私:「もうちょっとかかるみたいやで。」
祖母:「歯を抜く時はすごく痛かったよ。(少し怒った顔で)」
私:「そりゃ、歯を抜くのは痛いわ。これからは虫歯にならんように歯磨きをしっかりせなあかんで(笑)。」
祖母:「わたしゃ、歯を抜きたくなかったのに。」
私:「歯医者さんも言ってたやろ?虫歯が酷すぎて抜くしかないって?」
祖母:「みっちゃんが(私の母)、歯を抜いてもらうようにたのんだんじゃろ?」
私:「お母さんはそんなこと言わへんわ(笑)。先生に抜いた方がいいっていわれたから同意しただけやで。」
私:「それにおばあちゃんも先生に説明してもらって同意したやろ?」
祖母:「わたしゃ同意しとらんよ。」
都合の悪いことは忘れ、人のせいにしてしまう症状がまた再発してしまいました。
この後も祖母のお見舞いに行くたびに必ず「歯」の話しになり、そのたびに「私の母」のせいにしようとします。
ただ以前ほど「怒り狂う」というほどではなく少し不満を言うぐらいだったので、やはり被害妄想自体は少しマシになっているのかもしれません。
それでも入院して以来、一番被害妄想がなく表情も穏やかだった時に比べると、徐々にですが昔の被害妄想が酷かった時に戻ってきているようにも感じてしまいます。
そして、もうすぐ入院時に先生に言われた入院期間の「3ヶ月」がたとうとしています。
それでは続きはまた次回に。