祖母が患っているが、レビー小体型という認知症。
幻視(まぼろし)を見たり、パーキンソン病(手や足が動かしづらくなる)の症状がでたりする病気です。
もちろん物忘れもするのですが、アルツハイマー型認知症ほど物忘れは酷くない場合が多いようです。
私の祖母の場合、幻視を見ることはありますがそれほど酷いと言うほどではなく、どちらかと言うとパーキンソン病の症状に苦しんでいます。
レビー小体型認知症になって以来、祖母は年々歩くことが難しくなってきており、それに伴い転倒の危険性も高まっていました。
宮崎県の祖母の家では介護用の手すりを取り付けていたので、1人でトイレに行ったりすることは大変そうではありましたが、毎回付き添うということはなく、1人で何とか行くことができていました。
しかしこの時は兵庫県の私達の家に連れて帰っており、マンション住まいの私達の家には手すりもありませんし、各部屋には段差もあります。
祖母にとっては暮らしづらい環境ではありましたが、色々あったので(笑)、20日間ほど兵庫県の私達の家で過ごしていました。
(色々あった話はこちら)
手すりがない私達の家では、杖を使ってもらうことで、部屋やトイレの行き来をしてもらっていました。
最初は側で見守っていましたが、1週間ほどたつと私達家族も慣れてしまい、毎回付き添うようなことはしなくなりました。(転倒しそうな様子もなかったので)
ただ認知症の影響で杖の使い方がぎこちないというのか、逆に杖が歩く邪魔をしているというのか、口では説明しにくいのですが、うまく使えていないような時がありました。
そういった危なっかしい部分もありましたが、祖母の家に帰る日までを無事マンションで過ごすことができ、後1時間でこのマンションともお別れという時の話になります。
祖母が帰る前にトイレをしようとした時のことです。
祖母がトイレに入ろうとすると中に誰かが入っています。
私の父:「すいません、今入ってます。」
祖母:「あっ!すいません。」
私の父:「もうすぐでるんでちょっと待って下さい!」
祖母:「急がなくていいですよ。」
タイミング悪く、祖母が私達の家で1番気を使う私の父がトイレに入っていました。
祖母の子供である私の母や、孫である私だったらよかったのですが、祖母は私の父が入っていたことに気まずさとビックリした思いがあったようで、慌てて部屋に戻ろうとしたようです。
平常心の時ですら杖の使い方がぎこちない時がある祖母が、焦って部屋に入ろうとしたので、おそらく杖をうまく使えなかったのでしょう。しかも部屋に入るには段差もあります。
私と母は、ちょうど祖母から目を離しており、近くにいなかったのですが「ガタガタン!!」という音を聞こえたので、「まさか!」という思いで、急いで祖母が寝泊まりしている部屋に様子を見に行きました。
部屋には祖母が倒れています。
私:「おばあちゃん、大丈夫?」
母:「お母さん、大丈夫?」
祖母:「ちょっと転んだだけじゃよ。」
母:「頭は打ってない?」
祖母:「顔はちょっと痛いけど、頭は打っとらんよ。」
母:「他は痛くない?もう、気をつけなあかんよ。」
祖母:「う〜ん、たぶん大丈夫じゃと思う。」
しかし、よく見ると祖母の腕の様子が変です。
私:「えっ!ちょっとおばあちゃん腕見せて!」
母:「いやっ!折れてる!」
肉眼ではっきりわかるほど、左手首のあたりが変な方向に曲がっています。
すぐに病院に連れて行こうと病院を探したのですが、土曜日の午後1時ぐらいだったので、どの病院も診療が終了している時間でした。
電話をしても断られたり、まだ患者さんがたくさんいるから1時間待ちと言われたり。
しかも救急病院に電話しても、「今、外科の先生がいないということで、内科の先生が見てくれるか確認しまみます。」と踏んだり蹴ったりのような最悪の状態です。
とりあえずすぐに見てくれると言う救急病院の内科の先生に見てもらい、曲がった骨を戻してもらい、ギブスをはめてもらいました。
先生からは「これからまだ腫れてくるかもしれないから、ギブスがきつそうになってきたら、外科の先生がいる他の専門の救急病院にでも見てもらって下さい。もしかしたら手術が必要になるかもしれません。」とのことでした。
このような状態ではもちろん、宮崎県の祖母の家に連れて帰ることはできません。
とりあえず病院から私達の家に連れて帰ったのですが、痛みで平常心を失った祖母は「ギブスをしてるから痛い」と言ったり、「ハサミを持ってこんね!」といってギブスを外そうとしたりと、大変な精神状態になってしまいました。
何とか祖母をなだめつつ夜まで過ごしたのですが、祖母の折れた左手が異常に腫れてきてしまったので、夜間診療をしている病院を探し、外科の先生に見てもらうと、今度は手術が必要だということになりました。
この翌週に手術をして、1ヶ月ほど入院することとなります。(本当は2ヶ月は入院と言われていましたが)
何かが起きる時というのは、その物事が起きる前に、何かサインのような出来事がある時が多いような気がします。
以前、祖母が椅子の上にのぼって落ちてしまったことがあるのですが、その時は私がもっと祖母の精神状態を考えていたらふせげてかもしれません。(その時の話はこちら)
また祖母の電話を持ち帰った時にもそうでした。祖母が電話でストレスを発散していたことはわかっていたのに。その結果ヘルパーさんを怒らせてしまう結果になりました。(その時の話はこちら)
何かが起こる時というのは、後から考えると「もうちょっと気をつけていればよかった」と思うことが多々あります。
今回も、「祖母の杖の使い方がぎこちないこと」、「私の家には手すりがなく、段差があること」、こういったことをもっと真剣に考慮していたら、今回の出来事も防げたかもしれません。
もちろん、後から考えるからこそ、そう思えるかもしれませんが。
今回は祖母には痛い思いをさせてしまい、本当に申し訳ないことをしてしまいました。
この出来事をしっかり反省しなければなりません。
またこれからも同じ失敗をしないように、祖母のことでも、他の出来事でも、物事にしかっりと向き合って考えなければと思いました。
話は戻りますが、祖母は手術をし、1ヶ月ほど入院することとなるのですが、ここからがまた大変な1ヶ月となります。
ではまた次回に