続・物盗られ妄想

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前回は祖母が通帳や保険証を隠すようになったことについて書かせていただきました。

今回は、祖母が物盗られ妄想になってからはじめて、私が宮崎県の祖母の家に手伝いに行った時の話です。

認知症になってから、徐々にお金に対して強くこだわるようになった祖母ですが、物盗られ妄想がおきてからは、お金だけではなく、通帳や保険証、昔買った指輪などの金品を隠すようになっていました。

私の母の疑いが晴れないので、一応ダメもとで祖母に、母が通帳や保険証を隠していないことを説明してみるものの、やはり1度思い込んだ記憶を修正することはできませんでした。

母が疑われ、叔父はもうあまり帰れない(祖母の家に)と言うので、私まで疑われると大変なことになります。

幸い、祖母は孫(私と姉弟)に対しては昔からすごくやさしく、愛情を持って接してくれていたので、私にはまだ悪いイメージは持っていないようでした。
むしろこの時はまだ、私に「こんな遠いところ、1人で来て寂しくない?」という感じで気を使ってくれていました。
(祖母の頭の中では、まだ私が子供のように感じているみたいです)

このころは、祖母は母に接する時と違って、私にはまだキツイことは言いませんでした。
買い物をしてあげたり、料理を作ってあげると、素直に「ありがとう」と言ってくれていたので、自分は疑われることはないだろうと甘い考えでいました。
しかし、祖母の物盗られ妄想(被害妄想)は、私が思っている以上のものでした。

病院に行った時のことです。
祖母はレビー小体型認知症パーキンソン病の症状で足がかなり動きずらくなっていました。
気分が沈んでいる時は体がしんどいと言い、外に出たがらないので、薬をもらいに行くだけの時は、私が保険証をあずかり、祖母のかわりに病院に行っていました。

この日も1人で病院に行き、祖母の薬をもらいに行ったのですが、次の日も別の病院に行かなければなりませんでした。
祖母も、翌日、私にもう1つ病院に行ってもらわなければいけないことはわかっていたので、私は何も言わず保険証をあずかったままにしていました。
この時は、物盗られ妄想がどのようなことでおきるのかを知らなかったので、保険証をわざわざ返すという考えがありませんでした。

今考えると、これは1番やってはいけないことで、疑われてもしかたが無い行動です。

私はその日の夜に、近くの温泉に行ったので1時間ほど家を離れていたのですが、帰ってくると自分の荷物が荒らされたような感じになっていました。
しかし自分でしたのかと思い、その日は気にもせずそのまま寝てしまいました。

次の日の早朝、祖母に起こされることになります。

祖母:「ムーちゃん(私)、あんた保険証返さんかったじゃろ?

私:「うん、今日もまた俺が病院で薬もらいに行かなあかんから、預かったままやで。

祖母:「この保険証は1回なくなっとるんやから、なくしたらおおごとじゃよ!(ちょっと顔がこわばっていました)

私:「だから、俺がちゃんと預かっとるんやん。(荷物の中の財布を探してみる。あれ、ない!)

祖母:「お前は、きのう薬だけ渡して、保険証を返さんかったじゃろ。

私:「(もしかして)おばあちゃん、昨日の夜、俺が温泉行ってる間に財布から保健証とった?

祖母:「そうよ、寝る時に思い出して、返してもらったよ。

私:「(荷物がぐちゃぐちゃになってたのはこのせいか😅)俺は保険証を預かっとっただけやねんで。

祖母:「一言もそんなこと言わんかったやないの?ちゃんとした場所にしまっとかな盗られたらおおごとやからね!

この後、私が何を言っても、祖母からは、私が「保険証を返さなかった」という印象が消えることはありませんでした。

ただ、私にはまだ遠慮していることもあるのか、母のときのように怒りが爆発して止められないようなことにはなりませんでした。
(言い方も母を疑った時のように「お前が盗ったんじゃろ!」というようなことはありませんでした。)

そして保険証は自分(祖母)のカバンにしまってあると言って、その場はおさまりました。

認知症の方(物盗られ妄想の方)から預かった物は、その都度、きちんと相手(祖母)にしっかり見せて返すようしなければなりません。
(きちんと見せて返しても疑われることもあります😅)

今回の私のように、相手(祖母)もわかっているだろう。と甘く考えていると面倒なことになる可能性があります。

1度、物盗られ妄想(被害妄想)がはじまると「こんなことで!」というような何でもないようなことでも悪く考えて、被害を訴えます。
もちろん、いくらこちらが正論でも(現実的にありえないことを説明しても)、相手には通じません。

また1度疑われてしまうと、2度、3度、疑われてしまう可能性が高いです。
(相手に悪い印象が残ってしまうので。)

早速、この日うちに、私は再び疑われることになるのですが、その話は次回にさせていただこうと思います。

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