祖母は被害妄想を治すために入院することになりました。
祖母は被害妄想が酷く、過ごす先々で不満を感じる傾向があったので(私達家族の家に連れて帰っても、施設でも)、おそらく病院でも文句を言いだすだろうなとは思っていました。
ただ入院当日は、本人は不満ばかり言っていた施設から出れるということで機嫌も良く(笑)、入院の手続きもスムーズに進み、何事もなく入院することができました。
祖母が入院した精神病院では病状ごとにフロアがわかれているようで、祖母が3ヶ月生活することになるフロアは比較的落ち着いた患者さんが過ごしているようでした。
偏見かもしれませんが、精神病院では、叫んだり騒いだりする方達もいるのかと思っていましたが、祖母の生活するフロアに関してはそのようなことはなさそうでした。
入院初日は私と私の母が付き添いで祖母を病院へ連れて行き、1時間ほど病院で過ごし、「また明日来るから」といい、その日は帰りました。
私と母が祖母の様子を見た感じでは落ち着いていたように見えたので、安心していましたが、次の日に病院へ面会に行くと、いきなり祖母が問題を起こしていたことを知ることになります。
私と母が病院に着き、祖母が過ごしているフロアに着くと祖母の担当の看護婦さんがいたので、祖母の入院初日の様子を聞くことになりました。
私の母:「母(私の祖母)の様子はどうでしょうか?」
看護婦:「じつは昨日の夕方から、帰りたいと言い出しまして。最初は説得したのですが、少し暴れだしてしまいまして。」
私の母:「えっ?そうなんですか!すいません。」
看護婦:「いえいえ、それでですね、〇〇さん(私の祖母)がうちの看護婦がいくら説得してもこちらの言うことを聞いてくれずベットから降りようとされまして。」
看護婦:「それでこちらもちょっと危険だと判断しまして、申し訳無いのですが鎮静剤を打たせていただいたんですよ。」
(祖母は足が悪いので、1人で歩くと転倒の危険性があります。)
私の母:「そうだったんですか。すいません。」
看護婦:「今朝からはもう落ち着いていますので。」
この後、私と母は祖母に会いにいきます。そして祖母に昨日のことを聞いてみます。
私の母:「お母さん、昨日帰りたいって暴れたんやって?」
祖母:「暴れてない!ちょっと帰りたいって言っただけじゃ!」
祖母:「お前たちは、私をこんなところにおいていって!」
私:「おばあちゃんが入院したいって言ったからやん(笑)」
祖母:「こんなところとは思わんじゃった。痛い注射をしてくる意地悪な人もおるよ。」
私の母:「それはお母さんが帰りたいって無理言って、ベットからおりようとしたからやろ!」
私の母:「無理言ったら、また注射されるよ!」
祖母:「それよりわたしゃいつ帰れるんね?」
私:「3ヶ月は入院せなあんで。施設におるよりはマシなんやろ?」
祖母:「3ヶ月もね!そりゃ、施設のほうがマシじゃよ。」
私&母:「えっ!?(笑)」
祖母:「ここはご飯も美味しくないし、施設のほうがよっぽどマシじゃ!」
私:「おばあちゃん、施設のご飯は美味しくないし、はよ出て行きたいって毎日のように言ってたやん!」
祖母:「そんなこと言っとらんよ!わたしゃもう帰るからね!はよ退院させて!」
私&母:「(またはじまった 笑)」
この後も、「はよ退院させて!」と言って聞かないので、とりあえずこの日は「ベットから勝手におりようとしたらまた痛い注射されるよ!」ということだけ言い聞かせて面会をおえました。
あれだけ施設の文句を言っていたのに、入院が嫌になると、施設がマシに思えてきたようです。
ここから1週間は毎日面会に行くたびに「退院させて!」と言い、「勝手にこんなところに入院させて!」と怒るばかりでした。
幸いもうベットから降りようと無茶することはなくなったので、初日以来、鎮痛剤を打たれることはなくなりましたが。
ただ、このような状況で祖母の被害妄想は本当に治ることがあるのかという疑問はありました。
施設にいる時以上に機嫌が悪いように感じたからです。
祖母のことは気がかりでしたが、私と母は兵庫県から毎月祖母のいる宮崎県に帰っていたので、ずっと祖母の様子を見に来ることができません。
私と母は1度兵庫県に帰らなければいけなかったので、ここから3週間ほど、祖母の様子を見にくることはできません。
祖母は病院にいるので安心といえば安心なのですが、3週間ほど、私たちは祖母をおいて1度兵庫県に戻ることになります。
そして3週間後にまた祖母の様子を見にいくことになります。
ではその時の話はまた次回に。