今回は今お世話になっているデイサービスに対して祖母が抱いている印象が「悪い印象」から「良い印象」に変化し、祖母がデイサービスを楽しめるようになった出来事について書かせていただきます。
前回、書かせていただきましたが、祖母はデイサービスに不満ばかりを言い、2ヶ月たっても一向に慣れてくれませんでした。
祖母はレビー小体型認知症になって以来、被害妄想(物盗られ妄想)も増え、何に対しても悪いイメージを膨らませてしまいます。
今お世話になっている少人数制のデイサービスに対しても、「お風呂が狭い」「足がよけいに悪くなる」「人数が少なくて寂しい」などと悪いイメージがどんどん膨らんでいました。
1度悪いイメージを持ってしまうと、いくら私達家族が「そんなことないよ。◯◯なところが良いやないの。」と、良いイメージを持ってもらおうとしても、聞く耳を持ってくれません。
それどころか、他の施設に行ったら病気が良くなると思い込んでいたので、余計に今の少人数制のデイサービスに悪いイメージを持ってしまうようでした。
祖母はレビー小体型認知症からくるパーキンソン症状に苦しんでいたのですが(手や足が動きづらくなる病気)、残念ながら現代の医学では、まだ治せる病気ではありません。
祖母には「どの病院に行っても、どの施設に行ってもできることは同じだよ」ということを説明したのですが、認知症になっている祖母にはそのことが理解できないようでした。
祖母は認知症になって以来、「想像力」や「判断力」などの考える力が低下していたので、実際に自分が体験してみないと、何事にも納得できなくなっていました。
1度、他の施設を体験させないと、祖母は「他の施設だったら足が治る」と言い続けることになるので、ケアマネージャーさんに相談し、病院と併設されているデイサービスに体験に行くこととなりました。
体験で行くデイサービスは車で20分ぐらいの距離にあり、今お世話になっているデイサービスと比べると、5〜6倍の人数がいます。
祖母はレビー小体型認知症になって以来、自分中心に物事が進まないと不満を言うようになっていたので、私達家族は人数が多い施設には祖母はむいてないと考えていました。
体験が終わり、帰って来た祖母に話を聞くと、案の定、不満ばかりを言っていました。
私:「おばあちゃん、どうやった?」
祖母:「施設はキレイじゃけど、足が1つも良くならんがね!」
私:「そりゃそうやん!1日行っただけでは良くならへんわ。」
祖母:「少ししか、リハビリもしてくれなかったよ。」
私:「そりゃあ、人数も多いし、おばあちゃんだけにかまってられへんのちゃう?」
私:「ご飯やお風呂はどうやった?お風呂は広かったやろ?」
祖母:「ご飯は全然美味しくなかったよ。お風呂も男の人から入って、女の人は後からじゃし。」
祖母:「今日のデイサービスは遠いし、あたしゃもう行かんよ!」
と、ここまでは予想通りの展開だったのですが、ここから予想外のことを言いだします。
私:「おばあちゃんが、すみれさん(今お世話になっているデイサービス)が嫌やって言うから、別のところに体験に行ったんやで?」
祖母:「すみれさんのほうが、よっぽどいいよ。あたしゃ、すみれさんだけ行くよ!」
私:「え?あれだけすみれさんの文句ばっかり言ってたのに?(笑)」
祖母:「いや、すみれさんは良い人達ばかりじゃからね。何でも親切にしてくれる。お風呂も良かふうに入れてくれるよ。」
私:「すみれさんは人数が少なくて寂しいって言ってたやないの!(笑)」
祖母:「そげんことないよ。あそこは看護婦さんやヘルパーさんがいろいろ話を聞いてくれるからね。」
私:「(何か、今までと真逆のこと言ってるんですけど😅)」
このような感じで、違うデイサービスを体験してはじめて、今お世話になっているデイサービスの良さが見えてきたようです。
違うデイサービスを体験することで、2つのデイサービスを比較することができ、今までどれだけ良くしてもらっていたかを理解できたようでした。
この日以来、すみれさん(デイサービス)に対する不満を言うことが激減し、デイサービスに行くのを嫌がることもほとんどなくなりました。
(たまに機嫌が悪い時は嫌がりますが。)
祖母のように不満ばかり言い、「判断力」や「想像力」などが低下し、物事を判断することが難しい場合、言葉で理解してもらうより、体験させてあげ、自分自身で納得してもらうことが大切だと感じました。
ちなみにこの日から週1日だったデイサービスを、週2日に増やすことにも成功したので、今回、他のデイサービスの体験に行かせて本当によかったと思いました😊