姉妹を疑う(被害妄想)

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前回は祖母が10人姉妹だということを書かせていただきました。

祖母は機嫌が悪い時以外は、比較的まともなので、たまに会ったり、電話するぐらいでは「認知症だとは思えない」と言う人がほとんどでした。

姉妹には、祖母が激しく怒ったり、被害妄想(物盗られ妄想)になった時の状況は話していたのですが、実際に姉妹はその場面を見ていないので、あまり実感がないようでした。
(祖母が被害妄想になった時の話はこちら その1その2その3)

しかし、祖母の被害妄想は、ついに姉妹にまで及んでしまうことになります。

祖母の姉(次女)と妹(九女)の2人が、1人暮らしの祖母の様子を見に来てくれた時の話です。

祖母は1度、母のことを疑って以来、通帳や保険証、現金などを色々な場所に隠しまわるようになりました。

そのことを知っていた妹が、祖母にこんなことを言ったそうです。

妹:「姉さん(祖母)、そんなに物が無くなるんなら、寝室に全て隠しておいたら?1カ所にまとめておいたら忘れずにすむでしょ?」

祖母:「そうじゃね〜、そうしたほうがよかろうか?

妹:「寝室なら、居間にいても見えてるから安心やないの!

祖母:「そうじゃね、そうしようか!

妹:「そうしよ!私が今から隠したもの探してきてあげるわ!

こんな感じで、祖母の妹が和室や祖母があまり使用しない部屋などを色々探してくれました。家中を探してくれたようで、タンスや押し入れなどから合わせて30万円ほどの現金が出て来たそうです(笑)

祖母は自分がいくら現金を隠していたのかを把握していなかったようで(忘れてしまっていて)、すごく驚いていたそうです。

祖母:「そんなにあったんね?

妹:「そうよ!びっくりしたわ!あんなに色々な場所に隠してあるから(笑)

祖母:「誰かに盗られるかもしれんからね。

妹:「誰も盗らへんよ(笑)、それじゃあ、ここに隠しておくよ。(寝室のタンスに隠す)」

祖母:「そうして。

祖母は足が悪いので、妹がさっさと1人で全てをしてくれたようです。

そして姉と妹は祖母の家から帰って行きました。

しかしその数時間後、祖母からこんな電話がかかってきたそうです。

祖母:「よっちゃん(妹)、あんた見つけたお金をどこにやったんね?

妹:「寝室のタンスに入れたよ!姉さんにも言ったやろ?」

祖母:「そのタンスにないがね!お前が持って帰ったんじゃろ?

妹:「私は持って帰ってないよ!もう一度よく見て!

祖母:「タンスにはないよ!廊下に3万円だけ落ちとったがね!お前が落としていったんじゃろ?

妹:「私じゃない!姉さんがまた移動させたんじゃないの?その時に落としたんやろ?

祖母:「そんなことしとらん!お前は人の家のタンスを調べたりして!!お前はもう家に入れん!家の外のポストに盗ったをお金返しといて!

こんな感じで、この後、何十回も同じような電話がかかってきたそうです。

妹と一緒に来ていた姉にも説得してもらったようですが、祖母は妹が盗んだと思い込んでいるので、聞く耳を持ってくれません。

祖母の妹は、どうすることもできないので私の母(祖母の娘)に電話をしてきました。

妹:「〜なことがあって、私がいくらお金を盗ってないって言っても信じてくれないんよ!みっちゃん(私の母)の気持ちがやっとわかったわ!こんなに被害妄想が酷いとは思ってなかったんよ。

母:「ごめんね。お母さんは1度思い込んだら修正がきかないんよ。

妹:「あんまりしつこく電話してくるから、『はいはい』って言って電話きってるけど、どうしたらいいやろか?

母:「ほんとごめんね。母に『もう電話したらあかん!』ってきつく言っときます。もうすぐ息子(私)が宮崎(祖母の家)に帰ることになってるから、ちゃんとお金見つけて、母に謝らせるね。

この後、母が祖母に電話すると、かなり興奮した状態だったので、私が祖母の家に行って必ずお金を見つけてあげるということを約束し、なんとか落ち着かせることができました。

この時、なぜ祖母は妹を疑ってしまったのかを、祖母の話を聞いてまとめてみると

  • 妹が祖母と一緒にお金を探さなかったこと

    祖母は足が悪いので、普通の人の10分の1ぐらいのスピードでしか歩けません。
    なので、この時は姉と居間で探し終わるのを待っていたそうです。

    妹は1人で色々な部屋の引き出しやタンスを探したのですが、そのことが、祖母にとっては(物盗られ妄想の人にとっては)疑いを持ってしまう原因になります。

    被害妄想(物盗られ妄想)になると、些細なことでも悪いように考えてしまいます。

    祖母は、妹が何をしているのかを見ていませんでした。
    そのことで祖母は、「自分の見えないところで何をしているんだろ?」や「何か私の物をとっているんじゃないのか?」など、悪いように妄想してしまったんだと思います。

  • 見つけたお金を、きっちり見せなかったこと

    妹は「30万円もあったよ!」と封筒を祖母に見せただけで、お金を1枚1枚きっちり数えて見せなかったようです。

    妹は祖母の被害妄想の激しさをわかっていなかったので、今までと同じように接していました。
    しかし祖母は被害妄想になって以来、お金にすごくこだわるようになっていたので、きっちりと数えて見せないと、不信感を持っても不思議ではありません。

    私が祖母に「何でよっちゃん(妹)を疑うの?」と聞くと、「封筒の中身を私に見せんとタンスにしまった!」と怒っていたので、このことも祖母が妹を疑う原因になったと思います。

妹に対して不信感を持ってしまった祖母は、妹がお金の隠し場所を知っていることが不安になり、別の場所に隠そうと考えたんだと思います。

そして、違う場所に隠したのですが、その時の記憶を忘れてしまったようです。

その結果、妹と自分しか知らない場所に隠したお金が見あたらなかったので、妹が盗んだと思い込んでしまいました。

被害妄想(物盗られ妄想)の人は、まず自分の身近な人を疑う傾向があるので「身内だから大丈夫」と思って今までと同じように接していると、いつの間にか疑われていることも多いようです。

念には念をいれて対応しなくてはいけません。

この経験から、私は祖母が「〜探して」と言った時は、必ず本人と一緒に探すようにしています。
もし本人が一緒に探せない状態の時は、「ここの引き出し見ていい?」や「ここのタンスあけていい?」など、1つ1つをきっちり確認をしてから調べるようにしています。

また見つけたものは、必ず祖母に見てもらうようにしています。

例えば、現金を見つけた場合はちゃんと数を数えて確認してあげたり、通帳を見つけた場合は残高の確認をしてあげています。

そうすることで、祖母が安心してくれます。
安心すると、悪い妄想をしなくなるので、疑われる可能性は大幅に低くなるのではと感じています。

後日、私が祖母の家に行き、お金を探すことになるのですが、その時の話はまた次回にさせていただきたいと思います。

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