レビー小体型認知症の症状(幻視)

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前回の続きになりますが、祖母が私の母を偽物と言い出したことについて書かせていただきたいと思います。

祖母は認知症の中の「レビー小体型認知症」という病気なのですが、この病気の初期段階は物忘れよりも、幻視(幻覚)がみえることがよくあるんです。

前回書いたとおり祖母も幻視(幻覚)を見るようになってしまい、私たち家族も徐々に祖母の様子がおかしいことに気づき始めます。
もちろん私の母は心配になり毎日のように電話をするようになりました。
ただこの電話が祖母の頭を混乱させることになってしまいます。

母が祖母にいつものように電話をした時のことです。

:「あと2週間でそっち(宮崎県の実家)に帰るからね

祖母:「まだ2週間もあるんね!

母:「こっちもいろいろ用事があるから

(この1年ぐらい前までは「忙しかったら無理して来なくてもいいよ」っていう感じだったのですが、認知症が進んでくるにつれて、遠慮がなくなってきます。)

こんな感じで電話を切ってから1時間ほどして、また電話がかかってきます。

祖母:「あんた、どこにいったの?せっかく帰ってきたのに、晩ご飯でも食べて帰ればいいのに。

:「え?私、家にいるんよ(兵庫県の)。さっきのは電話やないの。

祖母:「そうやった?何か家におったような気がして(笑)

1度目は、このように何事も無く納得してくれたのですが(もちろん私たち家族はかなりショックでした)、この日から電話をするとこのような勘違いを度々するようになりました。

母と祖母は仲が良いだけに、二人とも遠慮なしに物事を言い合います。
母はまだこの時は祖母がレビー小体型認知症ということも知らないので、ついついおかしなことを言う祖母に、きつい物言いになってしまいます。
また祖母も勝ち気な性格なため、負けずに言い返すということがよくありました。

この時はまだ初期段階だったので祖母も母の話を何とか納得してくれていました。
ただ、本当なのか、勘違いなのかはわかりませんが祖母は若いころきつねにだまされたことがあるらしく(笑)、幻視(幻覚)を見ることをきつねにだまされていると勘違いするようになってきます。
(祖母は女だけの10人姉妹で、そのうちの2人がきつねにだまされたそうですw)

そして母が祖母の実家(宮崎県)に着いた次の日に問題が起こります。
この日もささいなことで言い合いになったそうなのですが、祖母が自分の気に入らないことを言う母のことをきつねが化けてだましていると思い込んでしまったのです。

いくら説明しても、祖母の頭の中では「電話で話していた母」と「目の前にいる母」が2人いて、目の前にいる母は偽物だと思い込んでしまったのです。

この時は私たち家族も、母が帰省してから3、4日後ぐらいに宮崎に行きました。
祖母の家に着いた時はそこまで険悪なムードではなかったので安心したのですが、夜の寝る前に突然祖母が母に怒りだし、母がいくら説明しても「なんで私(祖母)をだますの!」と聞いてくれません。
私が何とか割ってはいり、祖母に「今日は遅いから、もう寝よ。」と言う感じで母とひきはなし、その日はおさまりました。
そして次の日の祖母が落ち着いている時間に話をして、何とか理解してもらうことができました。

認知症になると感情の起伏が激しくなります。
だれでも、イライラしていたり、怒っていたりしている時に人の話を聞けないことってありますよね?
そういう時って機嫌の良さそうな時に話すと案外、聞いてくれませんか?

認知症の人も同じで、怒っている時に何を言っても聞いてくれません。
ムキになって言い争いを続けると、より悪い印象を与えてしまいます。
認知症の方は、思い込んだことを修正するのが難しいので、1度悪い印象をもたれるとその後の関係が難しいものとなります。
(たとえこちらが正しいことを言っていても)
逆に時間を置いて、落ち着いた時に話をすると、意外と話を聞いてくれたりします。

母と祖母の場合、親子なので言いたいこと言いあえるのは良いことなのですが、その片方が認知症になってしまうと、この関係が良くもあり、悪くもなります。
例えて言うなら、反抗期の親と子の関係と似ているかもしれません。
親(母)は子供のためを思って言っているのですが、子供(祖母)はそれを聞かず、自分の考えをおしとうそうとすることと。

なので基本的には反抗期の子供のように、まずは相手の意見を聞いてあげ、優しさをもって接してあげることが1番うまくいくような気がしています。

私は祖母の介護をしてから1年半とまだ短いですが、優しさを持って対応できている時はお互い気持ちよく1日を過ごしていけています。
逆に、祖母の言動や態度にイライラしてしまうと不思議と良くない方へ物事が進んでしまうんです。

正直、イライラしないでずっと過ごすというのは不可能に近いですが(笑)、この経験は必ずこれからの人生に役に立つと思って楽しんで過ごしていきたいと思います。

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