1人でカーテンを閉めようとして転倒してしまった祖母。
(詳しくは→「グループホームでの転倒」)
幸い、グループホームで生活していたため、すぐに病院へ連れて行ってもらうことができました。
転倒したその日は救急で診てもらい、次の日も別の整形外科でレントゲンをとり診てもらったのですが、骨折はないとのことでした。
しかし1週間たっても祖母の足の痛みはひきません。
打撲でも2週間ぐらい痛みがひかないことはよくありますが、祖母があまりに「病院に連れて行って!」と言う頻度が高いので、最後に祖母のお気に入りの整形外科へ連れて行くことになりました。
ただ、認知症になってからというもの、祖母は体に少し違和感があっただけでも大げさに言うことがあり、これまでにも「腹痛、心臓が苦しい、足が痛い」などの症状で何度も病院へ連れて行ったものの「異常なし!」と言われることがたくさんありました(笑)
今回もこれまでに2度もレントゲンをとってもらい「骨折はなし」と診断されていたので、また祖母が大げさに言っているだけだろうと思っていました。
でも万が一ということもありますので、念のため最後にもう一度だけレントゲンをとることに。
そして最後の診断にと訪れた病院でもまた「骨折はなし」と診断されます。
ただ、今回診察していただいた整形外科の先生が言うには、祖母が痛がっている部分は(足と腰のあたり)、骨折してもレントゲンに写らず、MRIでないと骨折しているかどうかがわからいこともあるとのことでした。
たぶん骨折はしてないだろうけど、もしあと1週間たっても痛みがとれないようだったらMRIをとり判断しましょう。ということを言われました。
祖母からすると自分は痛いと言っているのに、「骨折なし」と言われたことに納得がいかないようでした。
認知症になって以来、毎度のことなのですが、祖母は自分の思い通りの診断になるまで納得せず、納得するまで「病院に連れて行って!」と怒りだします。
グループホームでも痛みがなくなるまで毎日のように「病院に連れて行って!」と言いスタッフの方を困らせることは容易に想像ができたので(笑)、あまりうるさく言わないように説得してからグループホームへ連れて帰ることに。
私:「おばあちゃん、骨折はしてなかったんやって。よかったなぁ。」
祖母:「そげんことあるかいね。こげん痛いのに。」
私:「多分、まだこけてから1週間しかたってないから痛みが残ってるんじゃない?」
祖母:「そうかねぇ。」
私:「俺だって、こけてから1週間たっても痛みがひかんことは何度もあったで。」
祖母:「でも先生はまた来なさいって行ってたじゃろ?」
私:「もしあと1週間たっても痛みがひかへんかったら、もう1度病院に連れて行くから、それまではおとなしくしとかなあかんよ。」
祖母:「1週間たったら病院に連れて行ってくれるんじゃね?」
私:「うん。だから1週間は『病院に連れて行け!』ってホームの人にわがまま言ったらあかんで!」
祖母:「そげんこと言わへんよ!」
私:「(ほんまか?笑)」
この後、私は一度自宅のほうに帰らなければいけなかったので、もし万が一痛みがとれなかった場合は、グループホームのスタッフのかたに受診をお願いすることになりました。
(私は月の半分は「兵庫県」、もう半分は祖母のいる「宮崎県」で暮らしています。)
私が帰ってからの祖母の様子はというと、私との約束はさっそく忘れ、「病院に連れて行って!」と毎日のようにスタッフのかたに無理を言っていたようです(笑)
でも無理を言うということは痛みがでて機嫌が悪いということなので、1週間後、もう一度祖母は整形外科で受診をし、MRIをとってもらいました。
そこでなんと祖母が骨折していたことが判明します。
ホームからは私の母のもとに連絡があり、私たちもすごく驚かされました。
てっきり祖母がまた大げさに言っているだけだと思っていたので、祖母には悪いことをしてしまいました。
ただ骨折が判明したものの、骨折していた部分はギブスができるような場所でもなかったので、痛みがとれるまでこれまで通りホームで安静にして生活をするしかありません。
祖母は骨折という自分の納得の診断をしてもらったことにより、痛みはあるもののなぜか落ちついて生活ができるようになりました。
(もう「病院に連れて行って!」と騒ぎたてることはなくなりました 笑)
私と母が次に帰省した時にはすでに痛みもとれ元気になっていたので、とりあえず一安心です。
私はこの祖母に起きた出来事ではじめて、「レントゲンに写らない骨折」というものがあることを知りました。
祖母の場合は骨折が判明するまでに2週間もかかってしまったので、今回は申し訳ないことをしてしまいました。
ただ今回の出来事からは、今後、祖母の言うことが「大げさ」なのか、「本当」なのかを見分けるためのよい学びにもなりました。
祖母は普段から体に少し違和感があるだけで「不機嫌」になるのですが、今回はその「不機嫌」になる頻度が高かったようです。
(グループホームのスタッフの方の情報では。)
認知症になって以来、「不機嫌」にならないことのほうが珍しい祖母ですが(笑)、そんな祖母のいつもの状態よりもさらに「不機嫌」になる頻度が高い時には、いつもよりも気をつけて祖母の訴えを聞いてあげなければいけないと思います。
みなさんの中にも、私の祖母のような症状の方がご家族におられるかたもいらっしゃるかと思います。
普段は「狼少年」のように感じてしまうこともあるかと思いますが(笑)、そういった印象がほんとうに病気を訴えている時の判断を鈍らせることにもなりますので、いつもよりもちょっと訴えが多いんじゃないか?と感じるような時は、ぜひ気をつけて様子を見てあげていただければと思います。
では今回はこのへんで。