グループホームへ入居してから、3ヶ月がたったころの状況です。
前回書かせていただきましたように、祖母にはホームでの友達でき、スタッフの中にもお気に入りの方ができました。
私達家族にとってもうれしい出来事で、このままホームでの生活に慣れてくれればと期待していました。
しかし、やはり被害妄想が邪魔をし、どうしても物事を悪く悪く考えてしまいます。
自分の気に入らないことがあれば、ホームでの暮らしに対して悪い印象を持ってしまうようでした。
私が祖母に面会に行くと、必ずと言っていいほどホームでの不満をもらします。
祖母:「ムーちゃん(私)、はよ家に連れて帰って!」
私:「なんで?ここはみんな良くしてくれるやろ?」
祖母:「いや、意地悪な人がおるよ。味噌汁を飲まないと、デザートをあげないと言ったりする人がおるんじゃから。」
私:「そりゃ、きちんと出されたものは食べなあかんやろ(笑)」
祖母:「お味噌汁も辛いし、お茶も飲みたくないのに飲め飲め言われるんじゃよ。」
私:「お年寄りは脱水症状になりやすいから、ちゃんと水分とらなあかんのよ。」
祖母:「富さんは(祖母の友達)、家に帰ったりしとるよ。私だけじゃ、ずっと帰っとらんのは。」
私:「うそ?家には帰っとらんやろ?」
祖母:「いや、富さんはずっと家に帰りたいって言ってるよ。妹さんがホームの近くに住んどるから、夜は帰っとるんじゃ。」
私:「たぶん、それホームの自分の部屋に帰ってるだけやと思うけど(笑)」
祖母:「いや、富さん以外にもみんな家に帰るって言っとるんじゃから。」
私:「みんな言ってるだけで、ちゃんとホームの自分の部屋で寝てると思うで。」
祖母は認知症ですが「物事を記憶する」という能力に関しては、まだ高いほうだと思います。
が、祖母は物事を自分の都合の良いように解釈してしまうので、自分に嫌なことがあれば、誰かのせいにし、それをずっと根にもってしまいます。(忘れないので)
「お味噌汁を飲まないとデザートを食べさせないよ。(たぶん冗談まじに言ったと思います)」と言ったスタッフのことを嫌いになってしまい、以後、その人が何をしてくれても気にくわないと感じてしまうようでした。
お風呂に入れてもらっても、このスタッフの方が担当の時は「体をきつくこすられる」と感じたり、床掃除をしている時も、「ガタンガタンとわざと部屋の扉にモップをぶつけられる」と感じたりしてしまうようでした。
もちろん、祖母がこのスタッフの方に対して悪い印象を持っているので、そのように感じるだけです。
お風呂のことはわかりませんが、このスタッフの方がホームのそうじをしている様子を私は見たことがありますが、それほどきつく扉にモップをぶつけているようには感じませんでした。
もちろん、床をモップがけする時に、多少は扉にぶつかる音はしましたが、それは祖母の部屋だけでなく、他の部屋の方も同様でした。
(この時も、祖母は「またガタンガタンとわざとうるさくして」とぼやいていました 笑 )
それに私はこのスタッフの方とよく話しをするのですが、元気がすごくある方で、少しお節介すぎる感じはありますが(笑)、とれも良い人だと感じています。
また、入居者の何人かはよく「家に帰りたい」や「もう家に帰ろうかな」などのことを言うのを私も聞いたことがあるのですが、実際に家に帰っている人はいないので、もちろん祖母の勘違いです。
友達もでき、ホームのスタッフの中にもお気に入りの方ができたことで、少しは落ち着いて過ごしてくれるかなと思ったのですが、被害妄想やうつ症状によって、物事の良い部分を見ることが難しいようでした。
物事の良い部分をみれないこと、物事を悪く考えてしまうことを改善できない限り、やはり祖母が落ち着いて生活することは難しそうです。
ただ、今まで見てもらった病院ではこの部分を改善することができませんでした。
私達家族も、祖母に携帯電話をもたせることでストレスを発散させたり、月に1度、祖母を家に連れて帰ることが、祖母のホームでの生活の心の支えになればと考え、いろいろ試してみましたが、やはり、この物事を悪くとらえていまう部分が強くでてしまうので、ホームに慣れることができないようでした。
もちろん、気分良くすごせる時間も少しはあるようですが、それ以上に不満を抱えて、苦しんでいる時間が多いので、私達家族としても何とかしてあげたいという気持ちになります。
それに、祖母は機嫌が悪いと大変扱いずらいので、スタッフの方にも申し訳ないという思いもありました。
「どうしたものか。」と悩んでいたのですが、ある日、祖母の姉家族から祖母の症状の改善につながるかもしれない話を聞くことになります。
では、その話はまた次回に。